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読書が大好きです。 |
名著とは知りながらも、ずっと避けてきた「夜と霧」
私には、このテーマは重過ぎる・・・。
ずっとそう思っていたのです。
が。しかし・・・。
数か月前のこと、次女が「夜と霧」を読んで、人生観が変わるほど感動したって言うではありませんか。
「お母さんも読んでみて。」と。
その時、私の反応は鈍かったのですが、その後、アーティストの宇多田ヒカルさんがご自身の動画の中で「夜と霧」のことをお話されているのを偶然知って。
偶然が二つも重なったので「よし。私も読んでみよう。」と決心したのでした。
新訳と旧訳の違い
読んだのは「新訳」です。
「旧訳」には当時の状況を細かく解説した文章がびっしり掲載されていますが、文字が小さいので、老眼の身には読みづらい。
また当時の写真も数ページ掲載されていますが、閲覧には注意が必要です。
個人的には読みやすい「新訳・バージョン」をお勧めします。
読み終えて
読了後は静かな暖かさ・爽やかさが残ります。
「人間の本質・愛・喜び・善」のようなもの・・・それは過酷な状況下にあっても、誰にも奪えないという真実。
愛する人を想う気持ちや、自然の美しさ、そして敵の中に「人間らしさ」を感じとったとき、涙するヴィクトールの姿。
それぞれの立場の中でも「人間らしい人」はいたと。
彼の強みは、心理学者でもあり精神科医だったということ。
そしてただ単に「いい人」ではなく「臨機応変」だったこと。
そして・・・ずば抜けて強運だったこと!
だって、選択の連続がすべて「生きること」につながっていったのですから。
彼は想像を絶する環境の中にあっても「人間らしさ」だけは失いませんでした。
ただ、こうも書かれています。
「私たちは、ためらわずに言うことができる。いい人は帰ってこなかったと。」
心理学者の体験談
この本は告発本ではなく、一人の心理学者の目を通して語られた、ある収容所内の体験談です。
だから「恨み」のような記述は一切ありません。
悲惨な状況下にありながらもなお、ヴィクトール博士の人間愛がベースにあるので、読んでいてもグロテスクな感じではなく、どこか爽やかな印象が残るのです。
そして読んでいる間はずっと不思議な感覚が続いていました。
情景がリアルに浮かぶので、ヴィクトールと共に体験しているような感じなのです。
でも、あまり怖くないのです。
結論からいえば「もっと早く読んでおくべきだった」!!
とはいえ、この年齢になったからこそ、必要な本だったのかもしれませんね。
それでは今日はこのへんで。
また遊びにきてくださいね~。\\🖐//